恋活戦記

独身アラサー女子の日々の戦いを記録。合理的に戦う方法と出会った男達を毒舌に紹介します。

10年前のあの日を振り返る❺ 〜交際編〜

→つづき

 

待ちに待った王子先輩との花火大会。

久々に顔を見ると、やはりカッコいい!!!!

クオ田より顔もスタイルも声もタイプだ。

しかし海ドライブの日のような胸にガツンとくるトキメキや楽しさは無い。

 

ブランクを開けずに頻繁に会えば気持ちはもっと高まるのかもしれない。

だが王子先輩は仕事の関係で北関東に住んでおり、頻繁に会うのは難しい。

今回も地元に帰ってきたタイミングで予定をまとめて入れているようで、なんとK子主催のカラオケ会は花火大会の翌日となっている\(^o^)/

 

連日王子先輩と会う事になったが、前日の疲れなのか王子先輩のテンションが低過ぎる。

カラオケは死ぬほど盛り上がらなかった。

先月の楽しすぎた青春ドライブは幻だったのだろうか。

K子もつまらないと感じたようで、王子先輩への気持ちはアッサリ冷めたとの事。

ライバルは居なくなったものの、筆者もクオ田と一緒にいる方が楽しさを感じていた。

 

ちなみに花火大会はデートの誘いのつもりだった事を後に気付いたようで、その後王子先輩が年に数回地元に帰ってくるタイミングで定期的にデートに誘われる事になるのだった。

 

カラオケの翌日は別件の合コンだったが、メンバーも冴えず、つまらなかった。

クオ田に会いたい気持ちになっていると、タイミング良く連絡が来て、クオ田率いるバイト先のメンツでオール飲みをする事になった。

不思子と彫刻くん、それとヤンキールックな新人くんも居た。

 

相変わらずクオ田が散々飲ませるので皆泥酔。

そして相変わらず良いムードになる不思子と彫刻くん。

「もう2人きりにして置いてこうぜ!笑」とクオ田の提案で2人を置いて移動した。

すると不思子から鬼のようにメールと着信がくる。面倒臭い気持ちとクオ田に従うマインドだった為、それらをスルーしているとついに

「もう絶交だから」とメールがきた。

あぁもう本当に面倒臭い。

 

そして、正直ヤンキールック新人くんが邪魔だった。

クオ田も同じ事を思っていた。

2人きりになりたいムードを全開にしていても新人くんは空気が読めず、それどころか酔っ払いの構ってちゃんでウザさ倍増。

ついにクオ田が「お前マジで邪魔!どっか行ってくんないかな」と酷い事を言う。

酷いけれどその時筆者も激しく同感だった。

「イヤっすよ〜一緒に居てくださいよ〜動けないっすよ〜」と言いながらも酔っ払って外の広場で寝始めた。

「あぁ面倒くせぇ!!置いてこうぜ!!」とクオ田は新人くんを置いて、筆者を連れて歩き出した。

散々飲ませて潰しておいて本当に酷い。

しかし筆者も眠気と疲労と酔いの気持ち悪さを抱える中、新人くんがウザすぎて付き添おうとは思えず、クオ田について行き2人で漫喫へ行った。

 

そこでちゃんと告白のような事を言われた。

気持ちの答えはもう出てるけれど、散々断ってきたスタンスを急に変えるのは負けたみたいでなかなか返事ができなかった。

漫喫のカップルシートという狭い空間で、ひたすらキスをしたい欲と戦っているクオ田。

今思えばそんな状況も気持ち悪いが、ちゃんと付き合うまで待つと言って頑張って耐えてくれている事に大切にされているように感じた。

 

後日、恋愛マスターである親友のS子に諸々事情を説明しGOサインをもらうと、やっとクオ田と付き合う決心がついた。

 

バイト出勤日、不思子はあからさまにキレていて完全にシカトされている。

筆者の事は許せないらしいが、何故か主犯のクオ田とは普通に仲良く話している。解せぬ。

だがもうどうでもいい。

この頃の筆者は自分に全力で惚れてくれている1人さえ居れば、あとの人間は皆エキストラ、どうでもいい、という考えに陥っていた。

これが地獄の始まりだった。

 

不思子の態度もストレスだし、仕事も朝から夜遅くまで忙しくて回らず、社員にも怒られ、退勤後座り込んだら立ち上がれない程に疲弊。

その後、クオ田と初めて2人で飲みに行く事になった。もう飲まなきゃやってられない日だった。

疲れている為1杯で酔っ払い、フワフワしている時に改めて口説かれて、今までなかなかOKの返事が出せなかったが、酔いに任せてついにOKをした。

「え、本当!?ほんとに!??今いいよって言ったよな!?言ったからな!?俺彼氏だからな!??」と驚いてテンションが上がっているクオ田が可愛く思えた。

 

それからはほぼ毎日一緒に居た。

付き合ってからも一切お金は出させないしプレゼントを沢山くれるし、とにかくレディーファースト精神なので彼氏になってからの方がどんどんハマっていった。

でもこちらからは愛情表現はしなかった。

仕方が解らなかった。

付き合ってからも一方的に惚れられているような関係性が続いていて、それも心地良かった。

 

付き合い始めてすぐにバイト先徒歩圏内のお高いデザイナーズマンションにクオ田が住み始め、帰るのが面倒臭くなっては泊まり、翌日バイトだとそこから通う日々。

お互い休みの日は終日ゴロゴロして過ごし、大学の授業もサボりがちになった。

 

こんなに毎日楽しいのは久しぶりで今が人生の幸せのピークだなと察し、この後は落ちる一方なのだろうと思うと涙が出た。

実際その予感は的中していて、今振り返ってもあの時の幸せのピークを超えた時代は無い。

 

とはいえ、理想の交際ビジョンとは違った。

学生時代青春を謳歌できなかった筆者は、

マックやファミレスに行ったり、公園で日が暮れるまで喋ったり、自転車二人乗りしたり、プリクラ撮ったり、若い時にしかできないようなお金の掛からない青春っぽいデートに憧れていた。

 

しかしクオ田はアラサー。

しかも高級志向だった為、焼肉に行くなら叙々苑、寿司を食べるなら築地まで行くなど変に見栄を張ったこだわりがあった。

それはそれで未知の世界を体験できて楽しかったし、全て奢りなので良かったのだが金遣いの荒さにはついていけず、結婚は全く考えていなかった。

ちなみに何でフリーターなのにそんなお金があるのかと言うと、FXでかなりの金額を稼いでいるらしい。仕事もずっとフリーターだった訳では無く、今のバイトを始めるまでは美容師だったそう。

 

筆者が高1から使っているボロボロの財布を見窄らしいと言い、付き合った記念としてルイ・ヴィトンの高級財布を買ってくれた。

それから化粧っ気が無いと言ってシャネルのルージュをくれた。

好んで着ているカジュアルな服装もアラサーのクオ田からすると子供っぽすぎるらしく、コンサバやセクシー路線な服装を求められた。

筆者の事が好きと言っても、自分の好みのテイストではないらしく改造したがっているのだ。

 

今なら解る。

大学生のような子供っぽい服装の男やボロボロの物を持っている男、ファミレスやチェーン店に連れて行く男にゲンナリする。

顔が好みなら付き合ってから徐々に改造を試みたりもしてきた。

 

歳上だからこその魅力もあるが、やはり6歳違うと色々文化も違う。

筆者のファッションに難癖つけてくるが、ブランドさえ身に付けていれば良いと思ってるクオ田のファッションは正直ダサかった。

90年代に流行ったブーツカットのGパンにとんがった靴を履いていて時代遅れもいいとこだ。

それでも自分はイケてると思っているクオ田を論破する力はまだ当時身に付けていなかった。

 

10年前の当時に求めていた若い付き合い方の男にはアラサーになってから出くわす事が多いのに、良い店に連れて行ってくれたりプレゼントをしてくれたり今求めているスマートな振る舞いのできる男とは何故求めていない10年前に付き合う事になってしまうのか。

いつもその時に欲しいものは手に入らない。

 

現在の筆者が暇なようにアラサーでフリーターのクオ田にはバイト先のメンツ以外で遊ぶ人は居らず、バイトしか予定が無いようで、元々会う予定の無い日でも当日バイト後に呼び出されるようになった。

当時の筆者は遊ぶ友達も多く暇では無かったが、自分だけ他の予定が立て込んでいて会えないのも申し訳なくて徐々にクオ田と会う時間を優先していった。

デートだけでなく、相変わらずバイト先のメンツも含めて飲む事も多かった。

 

ちなみに付き合っている事はバイト先には秘密だった。

これは筆者の希望であり、クオ田は少し不満そうであった。

すぐ噂が広まるバイト先なので厄介だし、社員と付き合っている子のように秘密で付き合っている事に憧れを持っていたし、なによりクオ田は堂々とみんなに自慢したい人物では無かったのが本音だ。

 

しかし、交際を皆に隠していたせいで後に痛い目を見るのであった。

 

→つづく

 

 

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