恋活戦記

独身アラサー女子の日々の戦いを記録。合理的に戦う方法と出会った男達を毒舌に紹介します。

10年前のあの日を振り返る❻ 〜交際編〜

→つづき

 

【❻以降は少々卑猥な要素が入ってきますので苦手な方はUターンでお願いします。笑】

 

付き合っている事はちゃんと約束通り秘密にしてくれていたが、バイト先では皆勘が鋭く、あからさまに怪しまれていた。

付き合ってから知ったが、クオ田のケータイには毎日のように不思子からのどうでもいい報告メールや着信がきていた。

恋愛感情とかはなく、不思子的には気を遣わない男友達という感じなので特に嫌な気持ちにはならなかった。

 

不思子はからかう気持ちでどうにかして交際の事実を吐かせてやろうとクオ田にしつこく迫っていて、彫刻くん含む4人でダブルデートも再び開催された。いつのまにか不思子と筆者との絶交は解消されていた。

筆者には教えてくれないが、クオ田によると不思子と彫刻くんは付き合っているらしい。

同時に同じバイト先で2人と付き合っているというのが筆者にはよく理解できなかった。

 

バイト先の人には全員秘密と約束させといて、実はO子にだけは付き合っている事を打ち明けていた。仲の良い子は他にも何人か居たが、O子はオープニングスタッフではなく、シフトも薄く、バイト先にそこまで思い入れも無いタイプ。

口も硬いしバイト先で筆者以上に仲良くしてる人も居なさそうなので信用できた。

 

逆に仲良い子の中でどうしても付き合っている事を隠したい人物が居た。

彼女はオープニングスタッフで年齢は一個下。

滑舌が悪く引っ込み思案でコミュ障な性格とは裏腹に化粧がケバいのでケバ子と名付ける。

ケバ子とは普通にしていたら仲良くなるタイプではないのだが、バイトを始めて1番最初に仲良くなった歌手志望の歌子が同じくらい仲良くしているのがケバ子だった。

歌子の繋がりで仲良くなり、歌子がバイトを辞めてからはケバ子と2人でゴハンに行く事が増えた。

 

ただ、ケバ子の無駄に秘密主義な性格がどうも気に入らない。

人の話は色々聞くくせに、逆に聞き返すとダンマリ。「それは言えない」とか何も無く、ひたすら待っているとダンマリのまま数分経つ。

自分の話はあまりしない分、聞き上手なので社員と秘密で付き合っている子の話なども知っていて、筆者はケバ子に変に劣等感を抱いていた。

 

そんな中、実はケバ子も社員と何かあったと匂わせた。

「何があったの!?誰と!???」と聞いてもダンマリ。

意味深な事を言って気を引いておいて詳細は一切話さず、自分も社員に見初められた側だとマウントを取ってきてるように感じてしまった。本人はそんな気ないのかもしれないが。

 

なので今回、ケバ子に「クオ田くんと付き合ってるの!?どうなの??」と何度も聞かれたが、隠し通した。

ついにあの時の屈辱をやり返せて達成感に満ちていた。

しかしこれが悲劇を生む事になるのだった。

 

 

クオ田は毎日のように泊まっていけば良いと言うが、実家暮らしだったので親に申し訳なく、連泊にはならぬよう少しでも家に帰る事を心掛けていた。

服や荷物も置いていったら良いと言ってくれたが洗濯してもらうのは申し訳ないし、シンプルでシックな男っぽい部屋に筆者の物を置かせてもらう事に躊躇いがあった。

最低限歯ブラシ、洗顔料、スキンケア化粧品、パジャマ兼部屋着と生理用品だけを置かせてもらった。

そんな謙虚な気持ちで居ても、まだ自分しか入った事のない、2人の思い出しかないこの部屋に縄張り感情を抱いていた為、

他の人は入れないで欲しいと我儘を言っていた。

 

また、外食ばかりなのでたまには家で母の作った料理を食べなきゃという気持ちなのだが、毎日クオ田が夜ご飯を誘ってくる。

今日は家で食べると断ると「え〜クオ田のゴハンはどうするの?クオ田お腹空いて死んじゃうよ〜〜」死ぬ程キモい反撃をしてきた。

そう、こいつ昔のモー娘。みたいに2人の時は一人称が自分の苗字なのだ。キモすぎる。しかし何度も言うが若かりし筆者は寛容であった。

 

自炊は一切せず毎日外食のクオ田は筆者が断れば他の誰かと飲みに行くので、それもなんだか複雑で呼ばれれば無理して向かっていた。

そんな生活に少し疲れ始めていた。

 

 

毎日のようにバイトのシフトを入れているクオ田だが、筆者の誕生日前後に長い連休を取ってくれて愛を感じた。

それがまたバイト先で付き合っている噂を濃厚にさせたが、お互いあくまで否定した。

誕生日当日には筆者と過ごしているか確かめようと不思子からクオ田に鬼電がきた。

交際の事実を1番確信していたのは間違いなく不思子だった。

 

高いであろうディズニーのホテルを取ってくれて誕生日前日と当日でランドとシーに行く事になった。もちろん筆者は一銭も出していない。

プレゼントは筆者の欲しい物をあげたいと言ってくれて一緒に買いに行き、一旦持ち帰って当日わざわざ持ってきてくれた。これまたルイ・ヴィトンの財布と同じくらいの値段のミラーレスを買ってもらった。

誕生日前夜、ホテルで0時になるのを待っていると、日付けが変わった瞬間にケーキとシャンパンを持ったスタッフが入ってきてサプライズで祝福をしてくれた。

もう全てが理想的であり、初めての彼氏との誕生日なのに基準が上がりまくってしまったのだが、、残念ながらこの日以降幸せな誕生日を過ごせた事は一度もない。

 

ただ、この日を機にクオ田の中で何かが変わった気がした。

幸せな誕生日の瞬間を過ごすも、主役だからとテキーラを飲まされると割とすぐ潰れてしまい、せっかくの誕生日なのにと退屈で不満そうなクオ田は残りのテキーラを飲み干した。

記憶は朧げだが酔い潰れている筆者に手を出してきて、いわゆる強姦。

夢の国ではヤらないから!と自ら宣言していてゴムは持ってきていないのを知っている。

途中で「やべ!」と言って中断したところだけは覚えている。中断したから大丈夫だろうと安易な気持ちでいた。

 

朝起きると「昨夜の事覚えてる?」と暗い声で聞いてきた。誕生日当日に怒っても仕方ないと思い「覚えてるよ」とだけ答えて責めなかった。すると、「酔っ払うと誰とでもヤる女なんだな」と逆に責められた。

は?

泥酔させられて強姦されて、筋違いにも程がある。

その日1日中クオ田のテンションは低かった。

こっちからスキンシップを取っても全く乗り気ではない。

何を考えているのかさっぱり解らなかった。

付き合う前に初めてデートした時と同じだ。

あの時は緊張していたのだと後から言っていたが。

今回はさすがに自分の行動に反省しているのか。

今思えば妊娠させてたらどうしようと気が気じゃ無かったのだろうか。

 

付き合ってから一度も喧嘩もなく険悪なムードになった事がなかったのに、初めて不穏な空気を感じた。

しかし翌日会うとテンションも元通りで翌々日まで予定通り連日楽しく一緒に過ごした。

誕生日当日はなんだったのだろうか。

 

毎日が楽しくてこのまま時が止まればいいのにと思う反面、彼と一緒に過ごす時間を優先してきた分、今まで会っていた友達とは疎遠になっていたし、親との信頼関係もなくなっていたし、就活も辞めて将来の事から目を背けていたし、このままではいけないという気持ちが強くなっていた。

 

モラトリアムにはタイムリミットがある。

そろそろ動き出さねば。

 

新しいバイトも始め、資格勉強をして、デザインスクールにも通おうと決めた。

これからは今まで程は会えなくなるとクオ田に告げた。

仕方のない選択だったのだけれど

ここから2人の関係は狂い始めた。

 

 

→つづく

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