恋活戦記

独身アラサー女子の日々の戦いを記録。合理的に戦う方法と出会った男達を毒舌に紹介します。

10年前のあの日を振り返る❿ 〜疑惑編〜

→つづき

 

11/22

会ってちゃんと別れの言葉を言ってスッキリしようと思ってたのだが、当日熱が出たと言われる。

心配して電話をすると何やら後ろでガヤガヤしていて、あげく切られた。

このモヤモヤしている気持ちを早く断ち切りたいのに先延ばしにされてもどかしかった。

 

11/23

結局この日の22時から会う事になった。

筆者の為にちゃんと時間を作ろうとは思ってなさそうだ。

それでも一緒に過ごした楽しい時間は確かにあったのだから、最後は今までを振り返って切なくなりながらもお互い感謝の気持ちを述べて綺麗に別れたいと思った。

 

完全に筆者のエゴだ。

しかし、初めて付き合った人だったのだ。

異性と手も繋いだ事がなかったのに、

(大勢で輪になる時に繋いだり腕相撲とかは除く)

全ての初めてを捧げた人だったのだ。

 

事前にいろんなシチュエーションをシュミレーションして挑んだが、クオ田が冷たくて素っ気なさすぎてどうにもならなかった。すごく距離を取られているし、筆者の言葉が全然届いていない。

ちゃんと話したかったしもっと別れに浸りたかった。

上手く話せなかった時の為に手紙を書いてきたが「悲しくなっちゃうから」と言われ、受け取ってもらえなかった。

 

え…手紙受け取らないとか…

そんな選択肢ある?笑

 

この日はなんとか朝まで一緒に居てもらい、散々冷たくされたのに最後に抱きしめられた事に何か意味を探してしまった。

 

11/24

あまりスッキリ別れられずモヤモヤは残るが、心を切り替えて頑張ろうと思った。

バイト先で不思子とすれ違った時にいつもはお互いスルーだが、思い切って挨拶して「ゴメンね」と言った。別に筆者が悪い事をした訳ではないが、少しずつ不思子との関係も修復していきたいと思った。

 

バイト先では店舗ごとに頑張りが著しいスタッフが数名選ばれて参加するイベントが年に1回開催される。

筆者もオープニングスタッフとして頑張っていたので最初の回で呼ばれた事があるが、今回選ばれたのはなんという運命の悪戯かクオ田とケバ子であった。

 

閉店時間が近づき人の居ない時間帯、筆者が1人で店のフロントに立っていて、客から見えぬよう屈んでレジの下で作業をしていると自動ドアが開いて客が入ってきた。

急いで立ち上がり「いらっしゃいませ!」と言うと、入ってきた客はイベント帰りのクオ田とケバ子でやたら距離が近いように見えた。

お互いビックリして数秒止まったが、クオ田とケバ子は何も言わずUターンして爆笑しながら去っていった。意味が解らなかったし、あまりに感じが悪かった。

 

クオ田は今朝まで一緒に居て別れたばかりだとは思えない態度だし、ケバ子も仲の良い友達とは思えない振る舞いだ。何で笑っているのか知らないが人間性を疑う。

ただでさえ傷心なのに胸の奥が冷たくなった。

 

仕事が終わり、更衣室に行こうとすると、

店内の一室でイベント帰りのバイトや社員が打ち上げをしているとこが窓から見えた。

そこにクオ田とケバ子も居たが、隣同士で距離が近いというかもはや身体がぴったりとくっついていた。周りの人達は何も思わないのだろうか。別れた翌日に見たくなかった。

 

帰り道電車を待っているとクオ田から何件か着信が入っていた。

ケバ子の方に「クオ田から何度も着信きてるんだけど、なんかあったの?」と送ると「クオ田くんが凛々華も飲み会来いって言ってるよ♪」と返ってきた。

はぁぁ?

さっき2人で散々筆者を見て笑いものにしといて何故誘われるのか意味が解らない。

本当は行って真相を確かめたかったが、終電だったのでそのまま帰った。

 

11/25

他店舗に異動してしまった社員さんの誕生日会があった。筆者がブチギレられた店で1番偉い社員さん程ではないが、お店のオープン時に1番仕切っていて他の社員も束ねていた地位の高い社員さんだ。ツンデレなのでツンさんと名付ける。

 

他の社員から話を聞くと筆者はツンさんの1番のお気に入りだったらしい。

ケバ子も今日呼ばれていたのに来ない事が引っ掛かっている。

筆者が居るから気まずいのだろうか。

クオ田と居る時は強気のくせに1人だと筆者に立ち向かえないのがセコいと感じていた。

 

この日カラオケでHYを聞いて泣いてしまう程弱っていてクオ田と何かあったのか皆に疑われたが、秘密にしていたので話せなかった。

ツンさんはクオ田が入ってくる前に異動した為にクオ田を知らないので、色々話を聞いてもらった。少しスッキリした。

 

11/26

ここで何のきっかけか解らないが、最初に登場した低音くんと2人で飲みに行く事になった。

すごく盛り上がって楽しかったが、この後のバイト先のオール飲みにクオ田が来るのを期待してしまい、気が気ではなかった。

もう今では低音くんよりクオ田の方が自分の中で大きくなってしまっていた。

結局この日クオ田は来なかった。

 

11/27

日々頑張って笑っていつも通りにしてるつもりだったが、周りには落ち込んでいるのがバレバレだったのだろう。

クオ田から「元気出せ」とメールがきた。

お前に言われたかないわ。

 

この日はマツゲちゃんとゴハンに行き、話を聞いてもらった。あの一件から親身になって何かあれば協力すると言ってくれて心強かった。

ずっと1人で戦ってきたけど、バイト先に事情を知ってる人が居るだけで孤独から少し解放された。

 

「マツゲちゃんに聞いたけど嘘だったんだね」とクオ田にメールを送ると、「は?聞いたの?馬鹿じゃねえの??」と返信がきた。

まさか筆者が本人に直接確かめるとは思ってもいなかったのだろう。

クオ田は慌ててマツゲちゃんに言い訳メールを送ったらしく、見せてもらうと「アイツがしつこいから諦めてもらう為に仕方なく」など筆者のせいにした酷い内容でショックを受けて泣いてしまった。

全ての期待は捨ててもう忘れようと思った。

 

クオ田との交際期間は毎日一緒に居て濃い時間だったので半年や1年くらいに感じられていたが、たった2ヶ月半の出来事であった。

 

 

それからは筆者を元気付ける為に低音くんがよくドライブに連れていってくれた。

お互いバイトなど忙しいが、家も近いので深夜のちょっとした時間ににカラオケに行ったり映画に行ったり海に行ったりした。

車があるので夜中の2時だろうが3時だろうが帰れるし家まで送ってくれるし、クオ田の時のように泊まり続きで家に帰れてない事を心配する事はない。

徐々に低音くんで心を埋めようとした。

 

未だに何で別れてしまったのか解らないが

自分にも非があったのは間違いない。

 

会う日数を減らそうと言ってしまったから。

飲み会で酷い言い方で奢らせてしまったから。

損得勘定無しに向こうはお金や時間を使ってタクシーで会いに来てくれた事もあるのに、時間を無駄にされて筆者が怒ってしまったから。

飲み会に行ってばかりのクオ田を最後の方は束縛気味になってしまったから。

あちらが会いたくない時に自分の気持ちを落ち着かせる為に無理に何度も会おうとしてしまったから。

筆者だって自分勝手だったのだ。

 

自分に原因があると思う事で許せない気持ちを和らげて、納得できる答えを毎日探していた。

許せないから忘れられないのだ。

許さないと次に進めない。

 

元気が無いのを悟られたくなくて、バイト先ではクオ田に見られている時は無理に元気に振る舞っていた。

 

しかし、辛い気持ちをどこかに吐き出したい気持ちもあり、mixiのつぶやき機能で「失恋した💔」と呟いた。

クオ田はmixiはやっていないし、クオ田と連んでいる男達とも繋がってはいない。

歌子やケバ子など一部の仲の良いオープニングスタッフの女子とは繋がっており、遠回しに気付かせたい気持ちもあった。

 

またクオ田から「元気?」とメールがきて嬉しい自分が居た。

元気だと返すと今度は「余計な事言うな」と返ってきた。

意味が解らず電話をするとブチギレていた。

mixiに失恋したとか書いただろ」

「書いてないけど」

「嘘つくな!メガネ(クオ田が最近連んでるオープニングスタッフの男)がお前のmixiに書いてあったって言ってたぞ!!」

「私メガネとはマイミクじゃないけど」

「……」

こちらも嘘ついたが、こいつも嘘ついている。

嘘つく必要性は…??

mixiを知らない若者の為に説明すると、マイミクとはFacebookでいう友達、インスタでいうフォローみたいな事である。

 

そもそも「クオ田と別れた」と書いた訳ではないし、相手がクオ田に違いないと周りが怪しんだとしても筆者が一方的に失恋したと書いたのだから怒られる筋合いは無い。

 

筆者のマイミクの中でクオ田と交流があるのはケバ子だけだ。

ケバ子からそんな事を報告される程の仲なのか?

その関係を隠したいから嘘をついたのか?

 

今までだってなんとなく怪しかったけれど

一気に疑惑が確信になってきた。

 

 

→つづく

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