→つづき
N子の言う通りにLINEを送ったら確かに返信はきた。実験成功。
しかし、ここまでこちらが下手に出ても罪悪感も無さそうで図に乗る一方。
別れ話を切り出すのが面倒臭くてフェードアウトを図り、丁度良い頃合いで察しの良い女を演じてコンタクトを取ったらスムーズにフッてきた。デートの店調べと同じで何も労力を使おうとしない。
さてどうする。
とりあえず別れの理由を聞くにもこちらが意見するにもLINEでは不利だ。直接会うしかない。
なんならやっぱり別れたくないと思わせたい。(自分が付き合いたいかは置いといて)
その為にここはとにかく文句を飲み込み、謙虚な対応を続けて直接会っても良いと思わせるしかない。
「そこまで追い詰めてるって気付かずごめんね💦すごく突然だったし、ずっと待ってたから一回会ってちゃんと話は聞きたいな(>_<)」
と送るとすんなり会う事が決まり、
こちらの立場が弱いので上地の住んでる辺鄙なエリアまで行く覚悟もしていたが、今までのように筆者の住んでいるエリアに来てくれるとの事。
フェードアウトしようとしたくらいだから別れるとなったら無下な扱いをされると思いきや、「お店は探しとくね!」とまで言ってくれた。
店探しを自ら申し出るなんて初めてなのでちゃんと調べる労力を使ってくれるんだと期待していると、当日「〇〇(商業施設)に入ってるタリーズでよろしく!」
ってそこ私が前に連れてった場所やん\(^o^)/
もちろん予約とかは無いし、わざわざお店探しとくって宣言するような店じゃないだろ😂
相変わらずそういうとこが残念。
それでも久々に会う上地はカッコ良く見えた。
もう会えないかもしれないと思っていたせいだろうか。アプリでいいねをくれる男達がブサすぎるからだろうか。
気まずい空気にならぬようお互い気を遣いまくって今まで通りを装っていた。
というか今まで通りでもない異様なまでの穏やかな会話が逆にホラーであった。
なかなか本題には触れず、当たり障りのない世間話をしていた。
仕事でトラブって連絡ができなかったという2週間もの間何をしていたのか聞きたいが、流石に気まずくて聞けない。
しかし、やはりコイツは馬鹿だった。
「先週の土日は何してたの??」
「土曜はジム行ってて日曜は友達の誕生日祝いしてたよ〜上地くんは??」
「え?……………
えーーっと………………………
何だっけな………………………………
んー…………………………………………………………
仕事かな……」
いやいや嘘下手すぎだろ\(^o^)/
当たり前に、聞いたら聞き返される事が予想出来ないのだろうか。
そんな気まずい空気が流れてもなかなか本題にはいかないので例のブツを渡す事に。
「実はね、前回会う予定だった日に渡そうと思ってたんだけど、プレゼント買ってたの!」
別れるというのに渡すのもどうかと思ったが上地の為に選んだ服を他の人にあげるのも微妙だし…
とにかく罪悪感を持たせたい←
もちろん上地は申し訳なさそうな素振りは一切見せなかったが、今のところ仲良しごっこの茶番劇を続行しているので喜んでその場で着て見せてくれた。
ちょいちょい際どい話に触れてもいつまで経っても本題に入らないので、告白の時と同じようにあえて沈黙を作ってみた。
別れ話の場を設けたんだからせめて自分から話を切り出してくれ。
別れたいのに一切労力を使わないというのは卑怯すぎる。
しかし、ひたすら筆者が口を開くのを待っているようで数時間にも渡る沈黙合戦が始まる。
別れ話もしやすいだろうと筆者が選んだ店外の人通りの少ないベンチで横並びに座った事が仇となり、お互い前を向いて目も合わさず永遠に無言。
途中何度も心が折れ掛けて自分から切り出そうかとも思ったが、それでは今までと変わらない。ここは意地でも待ってやる。
飲み物を新しく買ったり何度かトイレに行ったりしつつ、両者譲らない戦いで昼過ぎに集まったのにすっかり日暮れ\(^o^)/
え…このままどうするつもりなの…?笑
どう考えてもおかしい状況の中、こちらは意思を持って意地になってるのだけど上地はただ受け身で居たいだけにしては粘りすぎだろぉぉおおお\(^o^)/
絶対にこちらからアクションしたくなかったがこのまま終電まで無言だったら何の話もできずに帰る事になってしまう。
真後ろの店のシャッターが閉まり始めたので振り返ってキョロキョロして見せてみた。
すると上地も筆者を真似して振り返っている。
「……もうこんな時間か…」
ついに上地が口を開いた。なんて白々しい。
「……そろそろ帰る?」
馬鹿なのか?????\(^o^)/
このまま帰るんだとしたら今までの無言の数時間、無駄にも程があるだろう!!!!!!!笑
「…まだ何も話せてないじゃん笑」
と言うとギクッとした顔をしてそこからまたずっと無言。
もうさ、中学生じゃないんだからさ、
30代のOSSANが何でこんな自発的に意見も言えないのだろうか。。
常に受け身でこちらがリードしてくれるのを待っていて情けなくないのだろうか。
痺れを切らしてついにこっちから攻める事にした。
「…この場所なら人通りも少ないし話しやすいと思ったんだけど…」
「……(汗」
「…言いづらいの??」
「…え、いや……(汗」
そしてまた無言。
上っ面の会話はできるが、やはりコイツもコミュ障なんだろうなぁ。
最初は心のどこかで別れない選択を期待していたが、ここまでのヤバい展開は予想外で一気に萎えたのであった\(^o^)/
→つづく