GWは特に大きな予定もなく、遠出するのもお金が掛かるので、お馴染みのL子と恋活強化合宿なるものを開催してみた。
もう最近はまったく戦場にも行かず、アプリも開かず、やる気皆無の平和ボケ状態なので1泊2日の短期集中で戦場に繰り出す作戦だ!!!
まず、モチベーションを上げる為、宿は都内の高級ホテル。(とはいえ庶民なのでセールとクーポンでお得に予約&カップルでもないのにダブルベッド)
そして戦いの夜に備えて、昼は泊まるホテルのアフタヌーンティーで優雅に過ごし、テンションを上げる。
更に素敵なお部屋でのんびり過ごしながらも徐々に戦闘モードに切り替えて作戦会議。今宵の戦場となる街コンを決めてネットで当日予約完了。
ちなみにチェックインの時にフロントのお兄さんが私達を見て「ダブルベッドのお部屋ですがよろしいですか??」と聞いてきた。笑顔で「大丈夫です!!」と答えたが完全にレズだと思われたと後から気づく😂
夕暮れになり、ホテルを出る頃には雨ザーザー降りになっていて出るのが億劫になる。こんな雨の中、人は集まるのだろうか。
会場に着くと割と人は集まっていて一安心。
しかし記載はなかったのに荷物預かり代を請求される。大きい荷物はホテルに置いてきて最小限で来た意味がない。
この街コンは女性が壁際に沿ってバーチェアに座り、男性はテーブルを挟んで女性の前に立ち、時間が来たら男性が隣のテーブルに動いていくシステムのようだ。
イケメンが居る訳ではないが、モンスター的なヤバイ奴が居ない。これはなかなか珍しい事だ。それなりに楽しくいろんな人と話せた。
そして魔のフリータイム突入。
男性が自由に好きな女性の所へ行けるシステムだ。
毎度このパターンでヤバイ奴が来なかった事がない。
大抵1人参加軍はヤバイ奴が多いが、やはり何故か私とL子の所には1人参加者が集う。
はじめに、見た目年齢40代のヘロヘロした舌足らずな喋り方の枯れてるオッサン1名がご来店。いらっしゃいませ。
なんだか無駄に距離近くて唾飛んでくるし話つまらないしどっか行ってくれないかなぁと思っていると、妖怪のような見た目の2人組が割込み参加。一つ目小僧と海坊主だ。
急に「一緒にいいですか〜」と枯れてるオッサンを押し退けて入ってきたので枯れてるオッサンはちょっとイラッとしている。
妖怪2人は一緒に魔界からやってきたのかと思いきや、それぞれ1人参加で先程タッグを組んだらしい。単品でもかなりパンチが効いているというのに最強の2人がペアを組んでしまったものだ…
基本的に2人参加の人ばかりなのに、アクの強い1人参加者がここに3人も集まってきている。毎度毎度、まったくどういう事なんだ/(^o^)\笑
一つ目小僧は妖怪なので空気が読めず、枯れてるオッサンと私達の会話を遮って強い目力で箇条書きの様な質問を次々としてくる。
「いくつなんですか?」
「想像にお任せしまーす笑」
「〇歳くらい?」
「まぁそのくらいですね〜」
「じゃぁ〇歳くらい?」
ここで空気の読めない一つ目小僧に枯れてるオッサンからナイスツッコミが入る。
「あのさぁ濁してるって事はあまり言いたくないって事なんだからさ(苦笑」
全くその通りだ。
枯れてるオッサンが常識人に思えてくる。
世の中にはこれが解らない男が多すぎる。
年齢に限らず、住んでいる場所だとか。
濁してるのに正解が出るまで当ててくる輩ばかりだ。
こちとら正解当てゲームをしたい訳ではない。
すると一つ目小僧は「僕いくつに見えます?」と聞いてきた。身体が小さく目が大きく童顔だが、血色や肌ツヤが悪くシワも多い。
妖怪なだけに年齢不詳だ。
降参すると26歳だと正解を教えてくれた。
意外と若い。。笑
便乗して枯れてるオッサンも年齢を教えてくれたが、なんと33歳だと言う。
え、枯れ過ぎじゃない??😂
思わず「40代かと思ってました〜!!」と正直に感想を述べると「えぇ!?それはショックなんだけど〜…」と余計に枯れてしまった。
ここでついにずっとだんまりだった海坊主が口を開いた。
「僕何歳だと思います?」
海坊主は30代後半くらいに見えた。
しかし正解は24歳!!!Σ(゚ω゚ノ)ノ
その日一番の驚きであった。
本人も上に見られるのは日常茶飯事らしく、私達を驚かせられた事に大満足でドヤ顔。
海坊主の年齢ギャップに一時場が盛り上がったが、視界に強烈な3人を入れているのがそろそろ限界になってきた。
席替えタイムまであと数分の我慢と思い、ラストスパートをかけて楽しくもないのに笑顔を振り絞り心の中でカウントダウンをしていた。
そして待ちに待った解放の時。
早くどっかに行ってくれ( ꒪⌓꒪)
「じゃぁLINE交換いいですか??」
当たり前のように一つ目小僧が言った。
・・・・・・
私とL子はただただ固まった。
ブロックすれば良いからと言うが、ブロックしても自分のLINEから表示が消えるだけで相手のLINEの友達リストにはアカウントを替えない限り永遠に残る。今後プロフィール写真を替えてもずっと相手から見られる事になる。恐怖でしかない。
「…LINEはごめんなさ〜い🙏💦」
意を決して申し訳無さ気に断ってみると、3人は予想外過ぎたのか驚きを隠せない様子。
枯れてるオッサンはかなりガッカリしたようで余計にヘロヘロ感が増した顔で苦笑い。
「俺元パイロットだよ〜?良い奴も紹介できるよ〜?」
こんなヘロヘロなパイロットの操縦する飛行機には乗りたくないし信じがたい。
必死に自分のレベルの高さをアピールするが逆効果でみっともない。
妖怪2人はというと…
真顔で斜め45度に視線を下げ、瞬きもせずに無言で固まっている。2人の表情は完全に一致していた。妖怪は皆このような仕様なのだろうか。
いかにも女性慣れをしていない最下層の位置にいるのにプライドだけは高く、経験もないから振られた事もないのだろう。
そのまま目が合う事も言葉を発する事もなく去っていった。
この街コンはツーフロアで開催されていて、最後のフリータイムでは女性も移動自由だったので、常に妖怪の居ないフロアに逃げるように移動していた。
しかし移動しても移動しても気付くと妖怪達が同じフロアに居るではないか。
怖い。怖すぎる…!!!(;´༎ຶД༎ຶ`)
女性が全く捕まらない妖怪達はひたすら探し回っている模様。その度にこちらも懲りずにフロアを移動していたが、街コンも終盤になり他の男性達と喋っていると何やら妖気を感じて身の毛がよだつ方向を見てみると、妖怪2人が真横の席でこちらをガン見しているではないか!!!(;´༎ຶД༎ຶ`)
とにかくここに居てはいけない気がして、喋っていた男性達を置いてそそくさとフロアを移動した。もう数分で閉会となるので、隅で司会の挨拶が始まるのを静かに待っていた。
油断していた。
気付くと目の前に妖怪2人が座っている。もはやホラー。
「ここいいですか?」
断る訳にもいかず苦笑いでうなづく。
「連絡先教えてくれなかったの2人だけだったので悔しくて。俺達の事覚えてます?」
さっきとは打って変わって海坊主が主導で会話をしてきた。一つ目小僧は黙って不安そうに眼力を飛ばしてくる。
先程あんなに盛り上がったはずなのに連絡先を断られたのが納得いかないといった様子。
犯罪でも起こしてしまいそうな執着心が怖すぎる。
「もちろん覚えてますよ〜」
と答えると、じゃぁ何故??という顔をしている。断られたのは何かの間違いだと思いたかったようだ。そして海坊主はまた笑わせて盛り上げてリベンジしようとひたすら自分の話をしてきた。
「俺学生時代、仙人ってあだ名だったんすよ」
「え〜ウケるね〜」
と上辺で笑ってみるが、ここから逃げ出すタイミングをひたすら伺っていた。
司会が閉会の挨拶を話し始めたので、「あ、始まった!」とまるで花火大会が始まったかのようにさりげなく場所を移動。しかしもう他のスペースも埋まっていて居場所がないので司会者の目の前の場所で妖怪がついてこないかウロウロしていると、優しい司会者が「どうしました?」と声を掛けてくれた。
事情を話して先に帰らせてもらえる事になり、急いで会場を出た。預けた荷物の番号札を受け付けの人に渡して待っていると、直後に閉会したようで他の参加者も皆勢いよく外に出てきたが、なんと先頭に妖怪2人が居るではないか(((;꒪ꈊ꒪;)))
追いかけられている…???
とにかく恐怖で、荷物を受け取ったら雨の中全力ダッシュで駅へ向かった。この胸糞悪い気持ちのままでは今夜は終われない。ついてこられていないのを確認して電車に乗り込み、次のステージへと向かった。
→つづく